【ミニブログ】ヒットする商品・サービスの影にはデジタルあり-1

ギターを弾く男

今日は、日経ビジネスに連載の「ヒットの理由」から2つの事例を紹介します。
1つは「オンライン音楽教室」のお話、もう1つは地方の金属加工メーカーが上市した「ホットサンドメーカー」のお話です。

この2つのケースを考察すると、昨今のヒット商品・サービスのウラには、必ずと言ってよいほど「デジタル」がキーワードになっているということがわかります。

今回と次回の2回に分けてヒットの秘密を探っていきます。
今回は「オンライン音楽教室」のお話です。

巣ごもり生活の長期化で「楽器を弾きたい」と考えている人が増えている

皆さんは楽器を弾くことはありますか?
私は昔から結構音楽が好きでして、特にビートルズを始めとする古いロックを愛好していました(今でもよく聴きます)。
学生時代はサークルでコピーバンドなんかもやっていたほどです。しかし、卒業後は全くその機会がなく、「いつかちゃんとレッスンを受けてギターなりピアノなり弾けるようになったらいいな」という思いをずっと持ち続けていました。
そんな思いを持っている人は私だけではないようでして、コロナ禍での巣ごもり生活の長期化で「楽器を再度手にしてみよう」という人が増えています。
フォニムというスタートアップが提供するオンライン音楽レッスンサービス「フォニムミュージック」の会員数は、2020年7月のサービス開始以来前月比20~30%増で推移しており、目標の獲得会員数を上回る勢いだそうです。

音楽教室といえば楽器メーカーがリアルの場で行うのが一般的だった

音楽教室といえば、ヤマハなどの楽器メーカーや楽器販売店が主催するリアルの場で行うものが歴史もあり一般的です。ピアノであれば、必ずと言ってよいほどご近所にピアノの先生がいてその方の自宅でレッスンするということもよく見る風景でした。実際、私の娘も小さい頃通わせていました。
コロナ禍において対面で何かをするということがどうしても憚れる中、楽器のレッスンもリアルで受けることに抵抗がある人もいます。
しかし、外出が減り在宅時間が長くなると、今までなかなか時間が取れずできなかったことに挑戦したいという意識は高まります。楽器演奏もその1つでしょう。

別の観点から、受講料はどうでしょうか?リアルでの楽器レッスンの場合、月3~4回、1回あたり30分~1時間のレッスンで最低月1万円はかかります。ちょっと気合を入れて習わなければいけない金額ですね。

では、フォニムのサービスはこれらお客さんの問題をどのように解決したのでしょうか?

このサービスが選ばれている理由は「手軽さ」

オンラインでの利点を活かし、受講料は月¥1,980に抑えています。また、電子楽器も月極でレンタルできます。つまり、事前準備なしで手ぶらで受講できるというわけです。楽器メーカーや楽器販売店が主催するとどうしても楽器の購入促進が付いてきますが、その煩わしさもありません。

そして注目したのが、レッスンはリアルタイムではなく非同期であり、事前に撮った動画を配信すると言う点です。
これでしたらいつでもどこでも好きな時間好きな場所でレッスンが受けられます。
一流講師のレッスンが受けられるのもこのサービスのウリなのですが、事前収録ですと講師の負担も軽くなるというメリットがあり、講師と生徒双方にとって都合が良いと言えます。

動画には飽きさせない工夫が必要

動画でのレッスンはいいことばかりではありません。このサービスに限らずヨガなど体を動かすものや英会話などの動画教材等オンラインでの受講は、対面以上に集中力が必要です。
このフォニムのサービスではレッスン動画は1本あたり5~10分程度までとし短くしました。オンラインでの集中力が途切れることなく飽きさせない工夫が見えます。
ごく最近、私も動画教材を上市したのですが、1レクチャーの長さはMAXで10分までにするようにとの指導がプラットフォームのUdemyからありました。これも同じ意味合いですね。

ではYou Tubeとの違いは何でしょう?
You Tubeでも「楽器演奏を教える」ことを目的とする動画が投稿されています。なんと言ってもタダですしメリットもあるとは思いますが、大きな違いはYou Tubeでは「どこまで行っても教える側が主役」ということでしょう。
教わる側が教えてほしいポイントを教えてもらうのは困難です。
翻って、このフォニムのサービスは当然ながら教わる側が主役です。もちろん、教わる側がレッスン受講後、演奏をアップしてフィードバックをもらう双方向性を備えています。

ピアノを弾く人

さいごに

デジタルは、時間と空間の制約を取り払いビジネスを拡大させる魔法の杖です。フォニムの共同創業者の一人は札幌市でピアニストを目指す中、「どうして著名な講師は教えに来てくれないのか」「なぜ東京までレッスンに通わなければならないのか」といった疑問を持っておりそれが創業のきっかけになったとのことでした。デジタルがなければ「しょうがない」と言って解決をあきらめていた問題も解決できるという好例です。

次回のブログではもう1つのヒット商品である「ホットサンドメーカー」のお話をします。

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