【ミニブログ】「顧客志向」の真の意味を考える

歯の治療をする医者と患者

日経新聞の記者の方から週一で来るメルマガに興味深い記事がありました。
「ワンオペ歯医者と顧客本位」
というものです。

歯の詰めものがとれたため歯科で治療してもらった記者自身の体験を題材にしています。
この記事のタイトルにあるように、ワンオペつまり歯科医一人で運営しており、さほど目立たない歯科医院のようですが、評価は4.9だそうです。

この記者が治療を受ける中で、顧客本位とはなにかを改めて考えたことがメインに書かれていますが、私はその考えに大変共感を覚えましたのでお話させていただきます。

顧客の事を考えているようで考えていない事例は多い

経営やマーケティングの話になると、よく
「我社は顧客志向である」
とか
「顧客本位で物事を考えろ」
ってよく言われますよね。

でも、「顧客志向」や「顧客本位」とは、ことばの意味として一体どのような意味を持つのでしょうか?
「常に顧客視点で商品やサービスを開発し販売すること」
その通りなんですが、顧客志向で開発し販売にこぎつけたはずの商品やサービスが、実は顧客に刺さらないというケースはよくあることです。

今回のケースから真の意味の「顧客志向とは何か」を考えます。

歯科の患者(顧客)は何を求めているのか

皆さんは歯科に行かれますか?
私はさほど頻繁にというわけではありませんが、数年に一度やはりブリッジや詰めものの不具合などで行くことがあります。

基本的に歯科ってあまり行きたいところではないですよね(歯科医の方ごめんなさい!)。
まず治療が快適ではない(歯を削るときに発するキーンという器具の金属音などは昔に比べると随分良くなりましたが)ことや治療に時間がかかること、そして追加の治療(新たに発見された虫歯治療とか歯垢除去など)が発生することなどが原因です。

歯科に来る顧客が求めているのは
必要な治療だけをできるだけ早く終わらせてほしい
です。これが顧客が抱える問題となります。

もちろんこれは本質的に顧客が求めるものです。
歯の治療に時間がかかることは理解していますし、放っておいて自然治癒するものでもありませんので新たに発見された虫歯を治療しようとすることは歯科医として正しい行動です。

「求める治療以上のことはしない」とてもシンプルな経営スタイル

この記者が通った歯科についてですが、まず「ダサいネーミングで看板も集客意欲が感じられないシンプルなもの」だそうです。
昨今は歯科医院も過当競争となり、どのように集客し固定客になってもらうかのマーケティング的指南書も出版されているくらいです。商売っ気なしのこの歯科医院はこの点からまずバッテンが付きそうです。

医院に入るととても狭く、受付から治療まで先生が一人で全てのオペレーションを担っているそうです。
記者は余計な治療は避けたいと思っていたようですが、求めていた詰めものの治療だけで3回で終了しました。
この記者は語っています。
「徹底したローコストで、患者(顧客)の求める以上の治療は一切しない。帰り際にも「また、どうぞ」とも言いません。なるほど、これが4.9になった理由なのかと納得しました。」
正に顧客が抱える問題を真摯に解決した事例と言えます。

「顧客のため」と「顧客志向でものを考える」は違う

多くの企業では「顧客のため」と称して
「こんな機能を新たに追加ました」
「競合他社にはない我社独自の新サービスです」
と訴えかけていますが、その多くは実は売り手、作り手視点の自己満足です。

皆さんにも経験があると思いますが、量販店の店員のセールストークや説明書に書かれている商品スペックから
「これは凄い商品だ!」
と意気込んで買ってみたものの大半の機能は使わずじまいになってしまいます。

売り手、作り手はついつい「あれもこれもつける」ほうに行きがちですが、逆張りの発想で「あれもこれもつけずに外してシンプルにする」というのも戦略の一手です。

足し算と引き算のバランスをとる

さいごに

この記事では、これからは環境問題を優先した商品やサービスの開発が進んでいく上で、環境にも懐にもやさしい「足し算」から「引き算」のマーケティングが必要となる旨で締めくくられています。

マーケターにとって「足し算」はできても「引き算」はなかなかできません。引いたものが売れる要素になってしまうことを恐れるためです。

このような時は、原点に帰り「顧客が真に解決してほしい問題はなにか」をとことん突き詰めて考えることによってシンプルな答えが発想できるかもしれません。

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