【ミニブログ】テレワークが増えてもイノベーションは生み出せるのか

オンライン会議でのボス

ネットの記事に興味を引くテーマがありました。
「在宅勤務のチームからイノベーションを生むためのコミュニケーションとは」
というもので、MITのビジネススクールが発行するビジネス誌に掲載されているものです。

私は従来から「イノベーションを生み出す起点は「個」つまり一人の人間である」と考えてきました。しかし、イノベーションの実現にはチームや組織で取り組まなくてはならないのは言うまでもありません。

今回は、テレワークが当たり前になりつつあるニューノーマルの中で、イノベーションを生み出すための組織やチーム、そしてコミュニケーションやリーダーシップについて考えてみたいと思います。

テレワーク下でイノベーションを生み出すコミュニケーションとは

イノベーションのアイデアや発想は個人の能力に依るところが大きいですが、それを組織として実現するのには他者との協力関係が必須です。
フォーマルあるいはインフォーマルで出会う人々とのつながりから協力関係が生まれ、フェイストゥフェイスでのコミュニケーションを通じてイノベーションは実現すると考えられてきました。

しかし、コロナ禍でテレワークが増え、オフィスで社員同士がリアルでコミュニケーションを取る機会が激減しました。

では、このような職場環境の中でどのようにしてイノベーションを実現できるのでしょうか?

「個」の生産性は上がりイノベーション創出の素地はある

テレワークになると、一般的には生産性が上がると言われています(日本では逆に「下がる」という人もまだかなりいますが)。この元となった記事はアメリカのものですが、「多くの企業で生産性が向上した」との記述があります。

個人業務において生産性が上がることは、イノベーション創出には良い環境であると言えます。
前職でよくやっていたオフサイトミーティング(オフィスとは違う遠隔地で行う会議やワークショップ)でのアイデア出しとは少し意味合いは違えど、いつもの執務スペースから離れたほうがアイデアを出しやすいのかもしれません。

テレワークによって生産性が上がりイノベーションの種が芽吹いたとしても、それを組織やチームで実現させるためには、他者とのつながりをどのように作るかが課題となります。

この課題にリーダーがどう対応すべきかを理解するため、20以上のグローバル企業のシニアエグゼクティブにインタビューを行なったところ、遠隔で働いているチームからイノベーションを生み出すためには、「協力関係を生むためのつながり」と「対立意見を知るためのつながり」という、2つの原則が必要であることがわかったそうです。

「協力関係を生むためのつながり」はどのように作られるのか

リーダーが組織の連結ピンのような役割を果たし、組織のあらゆるレベルのアイデアに触れ、有力なアイデアを引き出す必要があります。以前はオフィスの中で自部署のみならずあらゆる部署の人間と良好な関係を築くことによって、それが可能となっていました。

テレワークになると、リーダーはそれらの人物と1対1でつながる必要があります。直属のチームメンバーとはコーチングなどの手法を用い、より密にコミュニケーションを取らなくてはなりませんし、アイデア実現のためには上司や関係他部署ともつながるべきです。

上級リーダーがスタッフと直接コミュニケーションが取れるのもテレワークの特徴です。スタッフも役員に直接アイデアをぶつける機会があればモチベーションも上がるでしょう。

1対1のコミュニケーションを活発にすることにより、アイデアを埋もれさせず、意思決定者との強い協力関係を構築しやすくなります。重要な決定の際には上のレベルと前もってコンタクトを取り根回しをしておけば、支持も得やすくなります。

「対立意見を知るためのつながり」はどのように作られるのか

テレワークの環境下で継続的にイノベーションを生み出すためには、協力関係を生み出すだけでは不十分です。
イノベーションをよく練って磨き上げることも重要なわけで、そのためには多様なスキル、経験、視点を持ち寄って異なる意見を知ることも必要となります。

オフィスでは自然発生的な会話や議論が当たり前のように起きますが、テレワークではある種の仕掛けが必要です。
もちろんZoomなどのビデオ会議システムやチャットなどのコミュニケーションでも議論はできます。しかし、フェイストゥフェイスでのものに比べると深みに欠けると言わざるを得ません。

オフィスでの議論に少しでも近づけるために、リーダーはあえて異なる意見や反対意見を出したりして視野を広げてあげることが重要です。チャレンジングな質問をしたり極論を披露することにより、ものの見方を一方的にせず対立軸を作るのです。

遠隔でテレワークを行っていると、どうしても視野が狭くなり視点が絞られがちです。このような対立軸を作り議論を活性化することにより組織人、チームメンバーとして全体像を見渡せることにもなります。

このようにしてチームの一体感を高めることで、より高いレベルでのイノベーション実現につながります。

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さいごに

テレワーク下でもイノベーションを起こし続けるには、協力関係を生み対立意見を知るという一見反対のことを同時に行うことが重要であり、その役目はリーダーが担っています。

おわかりのように組織におけるイノベーション成功の鍵はコミュニケーションです。イノベーションが絵に描いた餅に終わることなきようその実現のためにリーダーシップを発揮しコミュニケーションを活発に行うことが求められます。

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