【ミニブログ】今の時代に求められるのは「善く生きること」

ウェルビーイングである

日経新聞の同じページに2つの記事が掲載されていました。
1つはアメリカでウェルビーイング関連事業が拡大していること、もう1つは大塚製薬のロングセラー商品であるポカリスエットとカロリーメイトの話でした。

一見関係なさそうな2つの記事ですが、「善く生きること」のために存在していることに共通性があったのです。

「お金より心身のほうが大事」と考えている人が増えている

コロナ禍の影響もあるのでしょうか、アメリカでの調査によると20歳代半ばから30歳代のミレニアル世代のうち「自分たちは親世代よりも幸せ」と思っている人はわずか26%だそうです。またこの調査対象の44%は常に不安などを抱えており経済的な安定よりもメンタルヘルスを優先する傾向が強いとのことです。
日本でも若者のメンタルヘルスは問題となっていますよね。特に先が見えない現代において、克服すべき課題として今後益々注目されると思われます。

ウェルビーイングは個人から企業の課題になりつつある

ウェルビーイングとは「心身の健康を保ち豊かさを実感する」ことですが、個人の問題から企業の課題になりつつあります。これはストレスチェックが義務化されているように企業が本気で取り組まなくてはならないことであり、労働人口の減少が続く中、優秀な人財を確保するためには社員の心身のサポートが欠かせないという背景から来ています。

具体的にはスマホのアプリで瞑想や快眠の指導をしたり、遠隔でメンタルヘルスケアを行なったりするものです。
新型コロナ下の需要増を追い風にアメリカでは同分野への投資は昨年1兆円を突破し、日本でもウェルビーイング関連のスタートアップが存在感を強めつつあるそうです。
これからはスマホ以外のデバイスでのサービス提供などさらなるビジネスの拡大が予測されています。

ポカリスエットやカロリーメイトはなぜ売れ続けるのか?

ここからは日本でのロングセラー商品の話です。
ポカリスエットにしてもカロリーメイトにしても、最初に発売された時は「何やコレ?」的な捉え方をされていました。味が想像できず、実際「おいしい」と言える商品ではなかった(あくまで私個人の感想として)と思います。
前職で食品企業で長年市場調査の仕事をしていた私は、「いくら体に良い成分を含んでいてもおいしくなければ売れない」という強い信念を持っていたため、これらの商品が売れ続けるのは何故なのかをずっと考えていました。
その答えは意外と単純でした。私がイノベーションの話をする時に常に言っていること、それは
「お客さんの問題を解決し続けていること」
だったのです。
ポカリスエットは「スポーツの後の水分補給」や「熱中症対策」といったそれまでになかった市場を創造しましたし、カロリーメイトは「いつでもどこでも手軽に栄養補給できる」というニーズを捉えました。
大塚製薬は瞬間風速的なヒット商品は求めず、真に消費者が求める商品を時間をかけて浸透させて、ロングセラー商品に育てることを得意としています(オロナミンCもそんな商品の1つです)。商品のはやり廃りが早い今、時代を超えて尚、売れ続ける商品を開発し上市するのはどの企業でもできることではありません。
解決している問題が人の根源に関わることを意味しています。

共通項は「善く生きること」

一見関連性がなさそうな2つの記事ですが、実はポカリスエットもカロリーメイトも「体を良い状態に置くこと」を目的に購入、消費されています。正に「ウェルビーイングでありたい」というお客さんの問題を解決していることで共通性を見出すことができます。
これを一言で言い表すと「善く生きる」ということです。
これからは金欲や物欲が減じ、「心身ともに健康で豊かに幸せに生きたい=善く生きたい」という欲求が増します。これは人間の根源的な欲求です。これに関連するビジネスはこれからも拡大していくことでしょう。

健康であることが鍵

さいごに

モノやカネから健全な心身へ価値の転換が始まっています。今後もこれに関連市場の動向に注視していきたいと思います。

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