これってイノベーションの種かも! 朝、あるテレビ番組を見て思ったこと

イノベーションを起こそうとしている男

イノベーションを創出するとき、何がきっかけになるのでしょう?
一人の生活者として何気ない日常を過ごしている、そんなときにふっと、
「こんなものがあったら便利だろうな」って考えることはありませんか?

イノベーション創出のきっかけは何?

皆さん、こんにちは。
イノベーションの伝道師、中小企業診断士の米本幸平です。

今まで世に出たイノベーションの最初のきっかけって何なんでしょうね?
そもそもどういう場面でそれが出てきたのか。
研究者が研究室で何か実験をしていたときでしょうか?
それとも会社の会議室で喧々諤々何かをディスカッションしていたときでしょうか?

それらの場面は十分あり得ますが、それよりも何気ない日常で普通の生活者がさほど意識せずに、
「ふっと、疑問に思ったこと」がきっかけになり、
思いもかけないイノベーションが創出されるなんてことのほうがあるような気がするんです。

今日の朝、正にそう感じた瞬間があったのでそのお話をします。

イノベーションの定義と創出方法

「またか!」と思われるかもしれませんが、イノベーションの定義とイノベーション創出4ステップアプローチです。定義にあります「無意識の問題」が今日のお話のキーとなりますのでご確認ください。

イノベーションの定義

イノベーションとは、
お客さんの無意識の問題を解決すること」です。
無意識の問題とは、
“あったらいいな”と頭の片隅では思っているが、たぶんできないだろうと思っていること」です。

イノベーション創出4ステップアプローチ

イノベーションの創出方法をまとめたものが「イノベーション創出4ステップアプローチ」です。

Step1.変革をもたらすドライバー(新しい現実、世の中の変化)を知る

Step2.お客さんは誰かを考える

Step3.お客さんが無意識の問題(=片付けたい用事)を考える

Step4. 問題の解決策を考え実行する

何気ない日常での出来事をきっかけに深く考えた

本当に今日の朝のことなんです。
いつもと同じ時間に起きて、仏壇に線香あげてお参りし、テレビを点けて朝の情報番組を見る。
その間、朝食を取りひげをそり身だしなみを整えながら、仕事の準備をする。
そんないつもと変わらない朝でした。

朝のテレビ視聴は、いわゆる「ながら」ですからそんなに真剣に見てるわけではありません(NHKの朝ドラだけは結構真剣に見ますが)。
朝起きてすぐFテレビ系の情報番組を見た後、NHKの朝ドラ、そしてテレビA系の情報番組を見るというのが定番です。

目に留まったのはテレビA系の情報番組のある特集でした。

歯周病は認知症の遠因になる!

その番組ではいくつかのテーマを取り上げるのですが、一つだけ特集っぽく時間を長めにとってかなり深堀するものがあります。

今日のテーマは
「歯周病でアルツハイマーのリスク増加」
「注意すべき症状&手軽な予防策」
というものでした。

最近、他の番組でも同じテーマが取り上げられていたので以前から少し気になっていたのですが、自分の年齢を考えて、「歯周病で認知症になるのはいやだな」と注目して見ていました。

歯周病の予防策とは?

歯周病は認知症のみならず体にあらゆる部位に悪影響を及ぼすそうで、益々予防策が重要だと思いました。
ではどのような予防策があるのか?

画期的な予防策があるのかと思いきや、大方の予想通り「歯磨きをしっかりする」ということでした。
そこでは、
「歯ブラシは歯茎に対して45度の角度で当てましょう」とか
「通常の歯ブラシ以外に歯間ブラシやデンタルフロスなども併用しましょう」とか
「歯ブラシは鉛筆持ちがよい」
なんてことを述べられていましたが、
この予防策、目新しいものではなくずっと前から言われていたことですよね。

それでも、歯周病の症状のある人は20代で60%、40代で70%、60代では80%もいるんです。
多くの人は予防策がわかってはいるのですが、できない理由があるのではないでしょうか?

私も歯科に行って歯の掃除(歯石や歯垢の除去)をしてもらうことがありますが、歯科衛生士さんにいつも同様の指導を受けます。
その時は「しっかり教えてもらった通り歯磨きしなきゃ」と思うのですが、実際にはできないんですよね。

私は「歯磨き」という行為になにか問題があるのではないかと考えました。

「歯磨き」という行為を考えてみる

歯磨きという習慣は紀元前からあったそうです。日本には6世紀ごろ仏教伝来とともに伝えられ、歯ブラシが初めて商品名として使われたのが大正3年(1914年)ですから、歯ブラシだけでも日本では100年以上の歴史があります。

考えてみてください。
歯ブラシが誕生してから100年余り、その前は楊枝や木を削ったような道具を使っていたそうですが、それを含めると何千年の昔から歯磨きという行為そのものは基本的な形を変えずに延々続いてきたということです。

その間、歯磨き粉が登場し、歯ブラシも電動歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス、タフトブラシなどが世に出て発展してきました。
しかし、尚、歯周病の症状がある人の率は高いままです。根本の解決になっていません。

歯磨きは苦行なのか?

皆さんは歯磨きを1日に何回しますか?
私は朝食後、昼食後と寝る前の計3回磨いていますが、先のテレビの特集では
「朝と寝る前の最低2回磨きましょう」
と言ってました。

そして1回の歯磨きに掛ける時間はどれくらいでしょう?
最低3分から5分と言われていますが、前述の予防策として丁寧に磨けばもっと時間がかかるかもしれません。

お気づきかもしれませんが、歯磨きって結構苦行なんですよね。
している間は立ちっぱなしですし、腰痛持ちの私にとっては5分の歯磨きは本当につらいです。
(腰痛持ちは、洗面台に片手をついてした方がいいとも言われました)

「歯周病予防のために歯磨きはちゃんとしないといけない」
わかっているのに、ついついサボったり1分もたたないうちにササッと済ましてしまったりするのは、歯磨きという行為が苦行であるからではないでしょうか。

生活者の無意識の問題とは

ここで、イノベーションの定義にあてはめてこの問題を考えてみます。

歯ブラシを使って歯磨きをすることは常識であり当たり前のこと

紀元前の昔から、何らか歯を磨くための道具を使って歯磨きをすることが、常識であり当たり前のことです。そしてその道具とは歯ブラシ(派生品も含む)であり、この習慣も100年以上続いています。

つまり、人は歯ブラシで歯を磨くこと以外で歯をきれいにしたり虫歯や歯周病を予防したりすることに関して無意識と言えます。

歯磨きに関する無意識の問題はこれだ!

心の奥底の潜在的な意識下では、
「もっとラクに効果的に虫歯や歯周病を予防したい」
と思っているはずです。
正に無意識の問題です。
しかし、「歯磨きは歯ブラシでするもの」という常識が邪魔をして問題が顕在化しないのです。
「“あったらいいな”と頭の片隅では思っているが、たぶんできないだろうと思っていること」ですね。
歯磨き粉と歯ブラシとコップの水

この無意識の問題に対する解決策はあるか

私はこの方面の専門家ではありませんので、あくまでも「ドラえもんのポケット」から取り出す道具レベルということで、こんなのはいかがでしょうか。

・タブレット状の薬みたいなもので噛むと薬品が溶け出し瞬時に歯と歯茎をきれいにしてくれるもの
・マウスピースのような電気製品で口にはめ込みスイッチを入れると歯と歯茎を掃除してくれる、サイズはそれぞれの口の大きさや歯並びに応じてカスタマイズできるもの

この製品を開発するのは、薬品メーカーかトイレタリー製品メーカーあるいは家電メーカーかもしれません。
今の時代なら全く畑違いの業種、業態から上市されても不思議ではありません。

さいごに

普段の何気ない生活の一片から、イノベーションが生まれる可能性を感じていただけたでしょうか。

「イノベーションは研究室や会議室で生まれるのではなく、日常生活の場から生まれる」
そのことを強く感じました。

日常生活の中で、
「視野を広げる」
「アンテナを立てる」
ことにより常識や当たり前に疑問を持つことができます。

これからも日常生活におけるふとした疑問を見つけてこのブログで伝えていきます。

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