イノベーションについて考える 「無料メール講座」で伝えきれなかったこと第2弾

あらゆることをきっかけにイノベーションにたどり着く

新しい現実や世の中の変化がどのようにしてイノベーションのきっかけとなり得るのか?「無料メール講座」や前回のブログで伝えきれなかったことを事例を交え紹介します。皆さんのイノベーションを考える機会としてください。

イノベーションの定義と創出方法

皆さん、こんにちは。
イノベーションの伝道師、中小企業診断士の米本幸平です。

前回のブログに引き続き、「イノベーション経営のための7日間無料メール講座」で伝えきれなかったお話です。
今回のブログから購読されている方は、まず前回の号をご覧いただいてからこちらをお読みください。

前回のブログでも述べており、しつこいと思われるかもしれませんが、ここでイノベーションの定義とイノベーション創出4ステップアプローチを再掲します。

イノベーションの定義

イノベーションとは、
お客さんの無意識の問題を解決すること」です。
無意識の問題とは、
“あったらいいな”と頭の片隅では思っているが、たぶんできないだろうと思っていること」です。

イノベーション創出4ステップアプローチ

イノベーションの創出方法をまとめたものが「イノベーション創出4ステップアプローチ」です。

Step1.変革をもたらすドライバー(新しい現実、世の中の変化)を知る

Step2.お客さんは誰かを考える

Step3.お客さんが無意識の問題(=片付けたい用事)を考える

Step4. 問題の解決策を考え実行する

新しい現実、世の中の変化を知るということ

ここでは、前述のアプローチの「Step1. 変革をもたらすドライバー(新しい現実、世の中の変化)を知る」について述べます。

コンビニエンスストアの客層

あなたはコンビニエンスストアで買い物をされますか?
さて、コンビニにくるお客さんはどんなお客さんでしょう?
ちょっと前の感覚ではコンビニの主客層=20代以下の若年層だったと思います。
しかし、今では50代以上の中高齢者が最も多くなっています。お気づきでしたでしょうか?

「人口の年齢層別構成が変わっているのだから納得!」
と考えられましたか?
数字で見ると確かにそうなんですが、皆さんの生活者としての肌間隔ではどうですか?
正直申しますと私自身、意識して見るまではそのような感覚を持っていませんでした。

常に視野を広げてアンテナを立てていないと、
確実に起こっている変化を見逃してしまうこともあります。
このような変化がイノベーションのきっかけになります。

ではこの新しい現実を目の当たりにしたとき、
あなたご自身あるいはあなたの会社は、どんなアクションを起こすでしょうか?
当然、全く自社ビジネスの範疇外であれば何のアクションも起こさないかもしれませんが、
例えば、中高齢者をターゲットとした製品を製造している会社にとっては、
ビジネスチャンスになり得ますよね。

そういった観点で、もう一度コンビニで品揃えされ販売されている製品を、
眺めてみても面白いですよ。
最近では一人用食べきりサイズの惣菜などが売られており、
客層を意識していることがわかりますが、
まだまだ中高年齢層向け商品があってもいいかもしれませんね。

ITの進化と労働人口の減少はどのようなビジネスチャンスをもたらすのか

ITテクノロジーの進歩と日本における労働人口の減少は、
ほとんど全ての産業に何らかの影響を与えるであろうことは、
あなたも容易に想像がつくと思います。
AIやロボットの発達によって、今ある仕事の約半分はこれらにとって代わられるという人もいます。

一方で、日本では人手不足で外国人労働者を入れる入れないの議論がされています。
また、日本型雇用形態(年功序列や終身雇用)の維持も困難になりつつあります。
「メンバーシップ型雇用」から「ジョブ型雇用」へ変わる動きも見えつつあります。

さて、これらのドライバーをあなたならどのように解釈するでしょう?
私は、近い将来、ホワイトカラー(事務職)の世界では人余りになるではないかと予測しています。
単純作業は全てAIやロボットが担うこととなり、
ヒトに求められるのはヒトしかできない仕事のみ。
終身雇用も崩壊し、キャリア自立が求められるでしょう。

必然的にヒトは個々の能力を上げていかざるを得ない状況が来ると思います。
私は現在行っている人財育成のビジネスにとっては、
需要が増えてビジネスチャンスが生まれるかもしれません。
そこにイノベーションの芽が吹いているということです。

イノベーションのジレンマ

新しい現実や世の中の変化に気づいておりイノベーションの芽が吹いていたとしても、
既存のビジネスがあまりに大きいため、イノベーションの実現に二の足を踏んでしまうというケースもあります。

前回のブログでイノベーションの事例としてフィルムカメラを紹介しました。
このフィルムを製造する有名なメーカーに「富士フィルム」と「コダック」という会社がありました。
「富士フィルム」は日本で、「コダック」はアメリカ、そして世界でNo.1のフィルムメーカーの座にありました。
さて、デジタルカメラの登場後、この2社の動向は如何に?

「富士フィルム」はフィルムカメラの衰退とデジタルカメラの伸長を見越し、
フィルムビジネスの縮小と同時にその技術を利用した医療機器や液晶ディスプレイ、化粧品などの新分野への進出を試み、事業転換に成功しました。

一方、「コダック」はメシの種であったフィルムビジネスから抜け出せず、
フィルムカメラ市場の衰退と運命を共にし、2012年に倒産してしまいました(現在は再生)。
実は、世界で最初のデジタルカメラを発明したのは「コダック」だったというオチがついています。

「コダック」の事例は「自社の強みを破壊するようなイノベーションに消極的となり、
他社のイノベーションによって自社の地位を失ってしまう」という「イノベーションのジレンマ」の典型例と言われています。

これってイノベーション?パート2

前回同様イノベーション事例を挙げますので、あなたから見てそれはイノベーションか否か考えてみてください。

缶切りのイノベーション事例

あなたは、缶詰の食品を利用されますか?
魚や果物他にも色々種類があり保存も利きますので、
いざという時に助かりますよね。

さて、缶詰ってどうやって開けます?
最近の缶詰は缶飲料のようにプルタブがついていて、
それを引っ張ると何の道具を使うこともなく簡単に開けることができ、
その点とても便利になりましたが、
以前は缶切りという道具を使ってあけるのが主流でした。
今でもプルタブのついていない缶詰は缶切りを使って開けますよね。
缶詰は19世紀の初頭に登場しましたが、缶切りはいつ頃登場したかご存知でしょうか?

何と、缶詰が登場してから50年後だったそうです。
それまでどうやって缶詰を開けていたのでしょう?
何でも、ナイフや剣、あるいは銃を放って開けていたそうですよ。
当時の人々はそれを疑問に思わずあたりまえだと思っていたのですね。
つまり、お客さんはこの問題に気づいていなかった=無意識だったわけです。
缶切りは正にイノベーションでした。缶切り

さいごに

これまで「無料メール講座」やこのブログで、イノベーションの事例をいくつか紹介してきました。
カメラやテレビ、扇風機などは人々の生活を一変させるような文字通りイノベーションです。

私が注目してほしいのは今日紹介した「缶切り」やメール講座で紹介した「うんこ漢字ドリル」です。
これらは「イノベーションではない」という人もいます。

しかし、これらを見て「これだったら私でも考え付きそう」と思ってもらったとしたら、
イノベーションが皆さんの身近に感じられた証拠です。

イノベーションが皆さんの日常となるよう、これからも有益な情報を提供してまいります。

無料メール講座」が未購読の方はぜひご購読ください。

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