ある会社さんから6ヶ月にわたる研修実施のご依頼をいただき、そのプログラムとコンテンツ作成に取りかかっています。
経営全般に始まりマーケティングや営業、その他デジタル戦略やリーダーシップ醸成まで、正にミニビジネススクール的に次世代リーダーを育成するためのテーマが網羅されています。
この研修の最初のテーマは「経営」です。あまりに崇高すぎて自分の中でも”もやもや”した部分もありながら、何とか伝えたいことが明確になってきました。
今回は、自分の頭を整理する意味も込めて「経営」ということについて考えてみたいと思います。
まずは「経営する」ということの意味を考える
私は、ビジネスに関連したあらゆるテーマで研修を行います。マーケティングやイノベーション、リーダーシップなど、ビジネスパーソンであればあまり深く考えることなく日常的に使っている言葉が並びます。
これらの言葉はあまりに日常的すぎて改めてその意味や定義を都度考えることはないでしょう。
しかし、こと研修の場においてはこれらの用語の意味や定義については、”ある程度”目線合わせが必要です。
ここで”ある程度”というのは、ビジネスの世界では唯一無二の正しい意味や定義などは存在しないからです。
そんな中でも講師として、「今日のテーマは”マーケティング”で、それはこういう意味で使いますよ」ということは言っておかないと理解度の方向性にズレが生じ、結果、研修の効果を減じることになります。
ということで、「経営」の意味や定義についてまずは考えてみました。
経営する主体には、非営利組織である公的機関やNPO法人、さらに個人も含まれますが、ここでは営利組織の経営つまり「企業経営」について考えます。
「経営する」って具体的にはどんなことをするのだろうか?
「経営」という言葉はあまりにビッグワードすぎてピンとこないというのが第一感です。
じゃあ、具体化してみようということで、「経営する」ことにあてはまりそうな具体的なアクションを挙げてみます。
・社会貢献する
・売上と利益を上げる
・事業継続に必要な人財を採用し育成する
・組織を構成する
・資金調達をする
・正しい情報を伝達する
等々、
どのアクションも正しいといえば正しいのですが、少なくとも一つに決めることはできませんね。
まだ、なんかモヤっとしている状態です。
しかし、改めてこれらのアクションを考えた時、その企業内で完結するものと企業外の人や他組織との関わりにおいて成されるものに分かれるのではないか、と考えることができます。
では次に、社内と社外での関係を意識しながら企業活動を振り返ってみましょう。
企業活動には多くの人や組織が介在する
企業活動を社内外との関係においてまとめたのが下記の図となります。(製造業の例)
ビシネスの観点からは、労働市場や原材料市場、金融市場から経営資源であるヒトやモノ、カネを調達し、社内で製造加工した後、商品として製品市場で販売する、という社外に対する活動があります。
社外活動はこれだけに留まりません。モノを製造するために機械や装置も調達しなければなりませんし、もう一つの経営資源である「情報」の調達や社内での活用のためのシステム導入・稼働といった活動もあります。
さらに許認可を得るために自治体と交渉することもあるでしょうし、企業のあらゆる情報を伝達するためにはメディアと良好な関係を保つことも必要となります。
このように社外ではステークホルダー(利害関係者)とも呼ばれる多くの人や組織と関わりを持ちながら企業活動は行われます。
一方社内では、顧客や事業を創造したり新たな技術を開発したり人財を育成し適所に配置するといった、企業価値を向上させる活動が行われます。
企業活動が「対社外」と「対社内」に分かれており、その両方によって成立していることがわかりました。
しかし、具体化しすぎたあまり総花的になり、元々の疑問である「経営とは何か?」の答えにはたどり着いていないですね。
そこで、少し視点を変えて「経営すること」の前提条件を考えてみることにしました。
企業活動は継続的でなくてはならない
企業は、どのような存在であるべきなのでしょうか?
時間軸で考えてみると、期間限定の企業ってあまり聞かないですね。特殊法人だとか個人あるいは少数で活動している企業で、期間を限定して経営を行っている場合もあることはあります。
しかし、一般的な話として企業活動は将来にわたって継続していくものであることが前提です。
これを「ゴーイングコンサーン」と言います。
先程述べたように一つの企業に多くの人と組織が関わっていますので、企業活動がある時点で突然「終了!」ということになると、その人たちや組織に大いなる迷惑がかかり大混乱になるでしょう。
企業活動は継続的なのものでなくてはならないのは確かなようです。
さいごに
「企業活動が継続的なものでなくてはならない」ということは、あくまで企業経営を行ううえでの前提です。
知りたいのは「継続的にどうあるべきか」です。
まだまだ「経営」の真髄には行き着いていないようです。今回はこれまでとして、引き続きこのテーマで語っていきたいと思います。
次回のブログでは、続きとして「継続的に何を行うのか」そして「誰がどのように経営を行うのか」ということに焦点をあてて考えます。
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